まず最初に読んだのは、序章「ロゼートにおける健康とコミュニティの意外な関係」について。そこでは、ペンシルバニア州の東端、もうちょっとでニュージャージー州というところにある、イタリア移民の町、ロゼートが紹介され、そこに暮らす人々の驚くべき健康、病気にならずに天寿を全うできる秘訣は、コミュニティにあると結論づける。
※この話は本書が初出というわけでもないようで、『寿命を決める社会のオキテ (進化論の現在)』(リチャード・ウィルキンソン著)にも紹介されているそうだ。
同じように、成功者の『成功の秘訣』について、明らかになっていない因果関係を解明してゆきますよと本書のゴールを明示。
ロゼートでは、三世代同居の暮らし、坂道が多く、人々は話し好き。55歳以下に心臓病での死亡例が無く、65歳以上でも全米平均より顕著に良好という。
さらに、消化器を専門とする医師スチュワート・ウルフ(オクラホマ大)が、住民全員を調べた結果を紹介し、出自は同じ南イタリア、食べ物もラードを多用するし、環境も周辺の町と大差ない。秘訣は遺伝でも、食事でも、気候でもないと判明したのだ。
ある社会現象に関する予想外の因果関係を明らかにするというのは、最近ではベストセラーとして『成功』するための秘訣になっているような気がする。ビジネス書の読者層、ナレッジ・ワーカー層がそういう著作を好んでいるのだ。
同著者の既刊『Tipping Point』では、『爆発的に流行する』現象に説明を与えた。定量的に証明しなくても直感的に『あるある』と感じることはある。一方、あの『やばい経済学』。こちらは徹底的にデータに語らせる。それはデータマイニングに他ならないのだが、要するに統計であり、しかし統計は扱い方によって『嘘』の道具にもなる。定量的分析がすべてではなく、定量的にわかることが面白いことかというとそうでもない。
Outliersと呼ぶべき飛びぬけた成功者を語るだけに、統計の母数といえるほど数は集まらない上、不可避的に特異点ばっかり。そうすると、因果関係を解き明かすのも著者の『洞察力』、納得するのも読者の『理解力』に頼るという、なんとも属人的なことになるのか。いずれにせよ、『強く念ずれば夢はかなう』とか『引き寄せられる』てな、「やっぱりそうですか」的なガッカリの結果にはならないだろうという予測、これは前作前々作で作られた著者への信頼、ということなのだろうと思う。
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『Outliers』(マルコム・グラッドウェル著)は、読んどかないと恥かく種類の、『必読書』みたいなポジションなのでしょう。だけど原書を読むのはやっぱり面倒。うちでも買ってしばらくツンドク状態。
そういう本だから、いずれ邦訳は出るわけです。しかし訳者が勝間和代さんとは、出版社さんの「絶対勝つ」という決意がひしひしと伝わってきます。こうなれば意地でも、自分は原書でゆく、そう意気込むというのも天邪鬼。
邦訳『天才!成功する人々の法則』は来月(5月14日)に出版。賞味期限切れとなる前に片づけるには、このゴールデンウィークが最後のチャンス。全9章+はじめに+おわりに、計11日で読破するプラン。
前作『ティッピング・ポイント』と『ブリンク』は邦訳を読んで、知識は右から左へ、超高速で揮発完了。図書館の力を借りて大量に本を読むから、FIFOの原理、最初に学んだものを最初に忘れるの法則。一つ学習すれば、しかしきっと2つ忘れている。
全米ベストセラーの読書感想文みたいなもんをチンタラ細切れに書くというのも、よろしくないブログの使い方ではあるけど、その一方、記録することで気づくこともあるに違いない。公開に相応しいか、それはさておき。
読んだ結果の瞑想も妄想も脳内まとめてダンプする、そのぐらいのつもりで、ログを残してゆこうと考えております。