2009年11月 9日 (月)

自由でハジケて壊れた世界

草食男子の増殖は今に始まったことではない。

そのことが、何やら昨今世を騒がす結婚詐欺事件からも垣間見える。そこにあるのはあまりに獰猛な肉食獣の欲望の前になすすべもなく蹂躙される姿。非好戦性。相対的な草食性だ。

野放図な市場原理がハチャメチャな強欲拝金主義に至って世界経済をぶち壊したように、欲望を抑制無き状態におけば、どの領域でも概して、とんでもない結果に至る。

  NOT : "Greed is Good." Gordon Gecko is back.

最近読んだ『野良女/宮木あや子』。まるでリードを外された猟犬、やりたい放題のヲンナの生き様を描く。女性読者には溜飲を下げるトコでも、オトコ、それもいい年こいたオッサンが読むと、痛快通り越して、不愉快、時間の無駄にまで思えてくる。思わず中抜き、ナナメ飛ばし。じっくり読むのは最初と最後だけ。あの感動大作『群青』の作者さんの本で、こういう読み方になったのは残念だ、ひとえに私個人の不徳のいたすところで。

って、本当にそうか。

読者のレベルに合わせて著者が生活のために迎合した、ってところじゃないのか。

著者のブログによれば、次回作が売れなきゃもう出版しないぞと、出版社から示唆されたとのこと。11月下旬出版の『太陽の庭』、必ず読みます。だけど、この本でまた中抜きナナメ飛ばしになったら、ここにいるお得意さんの常連読者約一名は、名前も忘れちゃうかも。※ そういえば最近物忘れがよくなってきた。

で、本題の『憂鬱たち/金原ひとみ』。

ハチャメチャという意味ではこちらも同じ。だが、御時勢反映、メンヘラーが主役で、同じ3人のキャラを脈絡無き複数の挿話で使いまわすロンド(こういうのロンドぢゃなかったっけ)仕立て。デジャビュな人間関係トライアングルがぐるぐる繰り返されて、めくるめく感がアヴァンギャルドなアートなのだよ感を醸し出す。

面白いのか。

ええ、面白かったですよ。

少なくとも、最初は。

ただ、こう毎回繰り返されると、読者側にもまたかよ感が出てきて、これが笑いに繋がるナイナイの芸風もある一方で、お笑いならぬ文藝では、予測できるというか、最初の刺激が強かっただけに、刺激に耐性ができてきて、もうお腹いっぱいですよ、な気持ちになればもう、ナカ飛ばしを止める力はどこにもない。

読書から何かを得る、なんて下卑た欲を剥き出しにして本を読むなら、名作を読め。ウェルかめを毎回楽しみに見てます最近やっと面白くなってきましたね、なんて言ってる文科省推薦型品行方正でジミな自分は、新しい本にイチイチ手を出すな、ってとこか。

さて、草食男子の対極にいるのが、マッチョな男たち。

オスの本能の命ずるまま生きる。これ、同じオス種として羨ましくあるし、これをヒーローに射影するスタイルを得意技にする作家さんも少なくはない。でも、これ、本当に面白いのかい??? 新堂冬樹さんも、『引き出しの中のラブレター』を書いた人とは思えないほど、バイオレンスやらステレオタイプなヲトナのエンターテインメンツこれでもかこれでもかてんこ盛りの作品を書いてる(というよりそちらが基調、ということでしょうか)。

潰すほど時間を潤沢に保有してらっしゃる恵まれた方御用達、なんて言っては怒られるに違いないが、この手のハチャメチャは、要するにアタシの読者はこの程度でしょ、ていう作家さんのアキラメ観によるという面があるように思う。

時間を買ってまで、それを節約する人。

そういう人には、新しい本は、リスクがとても高い買い物になる。

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2009年11月 5日 (木)

偽フェイスブックからのメールの精巧さに驚く

ブログなど消費者向けサービスにしろアドワーズなど法人向けのものにしろ、ネットサービスはユーザインタフェースを頻繁に変えるから、そういうお知らせメールだと、まったく疑いなく開いてしまうのだが、これがよくできたフィッシング・メールなのだ。

驚いた。そこで、いわば、ウェブ魚拓。

Fakefacebook

こういうのに騙されて、パスワードを盗まれて、他のサービスも同じパスワードだったりして、結局メディアを賑わすような大騒動に至る、ってな、よくある話にならないようにしたいものです。

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2009年7月 6日 (月)

パソコンは今買換え時なのか

お客様から最近この質問をよくいただきます。

その場合、可能であれば10月22日までお待ちいただけますでしょうかと、お答えさせていただくようにしております。

Windows7の発売を10月22日に控え、今買うとVistaだけどWindows7ももらえますという、移行期にさしかかり、何でもご自分でできる方がお買い求めになる分には、すでに買い時になったと言えるのは間違いありません。

ですが、御多忙のお客様が、ご自分でWindows7にアップグレードするというあまり生産性の高いといえない作業を好んでされるというシナリオは、ちょっとピンと来ません。

また、パソコンそのものにあまり自信がないというユーザ様は、この手の作業は避けて通るに越したことはないでしょう。

最初からWindows7用に製造されたパソコン、そして何かあったときにリカバリが一発でできる状態にあるもの。ということで、10月22日まで買換えはお待ちいただくのが無難と考えております。

さて、もう一つ、よくいただく質問です。

新製品が出て1年ぐらい待ったほうがいいのではないか。

確かに、Vistaが発売された2007年初頭、ドライバやらソフトが十分対応していないなど、懸念はありました。こうしてXPのまま待った人も多く、ずっと待って、結局「Vista飛ばし」に繋がってしまいました。

ですが、今回発売されるWindows7は、基本的にVistaを「改良」したもので、全く新しいソフトというわけではありません。Vistaの登場時と比較して、すぐに飛びつくリスクは格段に小さいといえます。

ということで、特別な理由がない限り、10月22日まで待って、パソコンを買い換えることをお勧めすることにしております。

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2009年6月24日 (水)

インチキ Windows Update メールが来た!

まずは、これ、ご覧あれ。

Fakewu

ものすごく精巧に作られた、あたかもウィンドウズの更新を促すかのように偽装されたメール。デザインが本物っぽい。発信者として「Microsoft Customer Support」を自称してるし。

本文中のリンクにマウスオーバーして、本当のリンク先を確認すると、、、

先頭部分はいかにもMicrosoft純正を思わせるが、さらに先を目で追ってゆくと、ドメインが「llik1i.net」と、それはそれは危険な香り漂って、、、。

IE8では、このリンク先は「危険なサイト」としてしっかりブロックされる。そして、セキュリティ関連企業からは、該当するセキュリティ警告が数日前に告知されている。上記リンク先には、ワームが仕掛けられているという。

くわばら、くわばら。

最近のダークサイドなネットビジネスの巧妙さに舌を巻く。

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2009年6月 2日 (火)

グリーン・オペレーション

平塚市民の皆さんに、朗報、かも。

今日、高浜町界隈を歩いてたとき、わたしのすぐ隣をGoogleストリート・ビューの撮影車、トヨタ銀色プリウスが屋根に赤っぽい金色カメラを乗せて、ゆっくり通り過ぎて行きました。

ドアにGoogleと書いてあったわけじゃないし、なんちゃってグーグルカーって可能性も無いわけじゃないが、そろそろ平塚にもストリートビューが来てもいい時期ではあります。

撮影されたかも、プライバシー侵害だ、ってたいして困るわけでもないが、写ったとするとその姿、Microsoftのリュックに、Pingのキャップ、まあ、ここまでは、よしとします。で、ポロシャツも、コットン・チノも、即バレのユニクロ。これはいけません。

さらに、歩きながら『グリーン革命』(トーマス・フリードマン)を読んでる。それも茅ヶ崎図書館のタグつきのやつ。二ノ宮金次郎を彷彿とさせるわけもなく、妙なおっさん然としたビジュアルだ。

困ります。グーグルさん。平塚市の名誉のためにも、使う肖像は選びましょう。

と、前置きはこのぐらいにして、とりあえず、グリーン革命、この本について。

『フラット化する世界』で名声を確かなものとしたジャーナリスト、トーマス・フリードマンさん。相変わらず、アメリカ大好き、アメリカ最高ってノリで、これからはグリーンなハイテク技術で、「ブ」政権の8年で地に落ちた威信を取り戻そうぜと、まあ、鼻息荒いこと。

だけど、確かに、環境落ちこぼれのアメリカが、本気になって環境対策でリーダーシップを取り始めたら、それはみんなついていきたくもなる。他国や他人のコントロールは大好き(というか外国に興味ない)、自己主張も特に上手、セルフコントロールの力だけ欠いてる(失礼;)米国大衆層を、どう納得させ、やる気にさせるか、そこが鍵。

日本としても千載一遇のチャンス。神輿にはアメリカさんにのってもらって、属国だコバンザメだなんだかんだと揶揄されようと、技術開発や製造で地道に貢献する、高度成長期の勝ちパターン、わが国の国民性にかなったお家芸の世界に持ち込める、かも。

かくいう弊方の商売も、最近はクルマを全く使わず、公共交通機関で移動してて、そういう意味ではCO2排出増ほぼゼロ。製造業じゃないけど「直す」型サービスは、エミッションほぼゼロ、そういう表現もアリか。もちろん、電車もバスももともと石油由来のエネルギーで動いてるから、正確には、グリーン・オペレーション、ぐらいの表現が適切と思います。

ガソリン高騰期にやむを得ずグリーン・オペレーションに舵を切ったのが、今になって、決算上の嬉しい効果につながっている。これからもずっと、グリーン・オペレーションで行きます。あとは、少しでもグリーン革命のイノベーションに貢献できないかって、じっくり検討してゆくことなんだろうなと考えております、商売上のミッションとして。

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2009年5月 4日 (月)

Outliers 邦訳出版前に読みきるぞ 1日1章 その11

成功者とは、歴史とコミュニティ、機会と遺産の産物なのだ、という結論が述べられる終章「ジャマイカ物語」では、著者マルコム・グラッドウェルのルーツ、ジャマイカでの祖母から母の世代で起きた、成功にまつわる幸運が紹介される。

自分の家庭のルーツをここまで赤裸々に書く姿勢に敬服。ジャマイカでも、やっぱり成功をつかむ鍵は、教育機会だった、ということだ。

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ビジネス書としてビジネスマンに示唆するアイデアという面で、ティッピングポイントやブリンクにあったようなものはないのかもしれないが、社会に対する提言という面で、とても考えさせられる本であった。

戦後から今までは比較的機会均等であったといえる日本。しかし、格差は急速に進み、階層の固定による害悪が危惧される今、本作がどのように受け入れられるのだろうか。また、三人の娘さんのお母さんであられる勝間和代さんが、本作をどう料理されるのか、興味は尽きない。

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Outliers 邦訳出版前に読みきるぞ 1日1章 その10

幾つもの挿話が最後に「機会」の重要さという一点に結論づけられる第9章「マリタが得たもの放棄したもの」では、裕福な家庭の子息が夏休みに学力を伸ばすという驚くべき事実、そして家庭の経済状況にかかわらず子供の能力を伸ばすKIPPという中学校の指導方針の効果について紹介する。

才能、ではなくて、機会、なのだ。重要なのは、と。

そういう機会を、もっと豊かにもつ社会にしてゆこうじゃないか、というのが、本書の主張の中心であった。なるほど、そうでしたか。

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Outliers 邦訳出版前に読みきるぞ 1日1章 その9

なんとなく本書の結論が見えてきた第9章「水田と数学テスト」では、努力と工夫の実る「稲作」と、初等数学の問題解決での成績にあらわれる相関について紹介している。

初等数学のテストでは、才能というより、忍耐力のようなもののほうが決定的な影響をもつとの見解を紹介している。

根気よく勉強するのはアジア諸国の学生に共通の性質であり、数学のテスト成績の国ごとの平均も、その「根気よさ」の度合いに合致する。それは水田での稲作文化、長時間労働と工夫、それが収穫の大きさとして直接報われることで培われた、勤勉さを高く評価する文化によるものだと示唆する。

毎日朝早く起きられない者は家族を豊かにできない、ああ、耳に痛い真実。

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2009年5月 3日 (日)

Outliers 邦訳出版前に読みきるぞ 1日1章 その8

この章の内容が「天才が飛躍する条件」という大筋に、どうからんでくるのかここまででは全く不明なのだが、第7章「航空機事故に民族性が与える影響の理論」では、2つの心理学的尺度と、航空機事故の起こり易さとの間の、因果関係を考察する。

ここでいう心理学的尺度とはすなわち、不確実性に関する許容度と、権力階層間の距離感である。

さらに、航空機事故でのブラックボックスの解析結果などを通じ、機長と他のクルーの力関係に注目する。

機長が判断もしくは操縦で致命的な誤りを犯しているときに、他のクルーがバックアップとして機能しにくい状況を作り出しているのが、出自となる文化圏、国民性あるいは民族性であり、具体的には、不確実性を許容しない傾向、上位の者に口出ししにくい空気、という課題がみてとれるという。

ある意味、偏見ではないかと危惧されるが、しかし面白い切り口とも感じられる。ジャーナリストには許され、専門家は口にできない見解かもしれない。

アメリカ万歳で自国を基準に他国を槍玉、ここでは大韓航空を遠慮なく俎上の鯉にしていて、この期に及んでも懲りないパンアメリカーナな傲慢、トーマス・フリードマンに通じる嫌味を感じてしまうのだ、私は。歪んでるか、オレ?

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2009年4月29日 (水)

Outliers 邦訳出版前に読みきるぞ 1日1章 その7

Outlier第二部「遺産」は、アメリカ南部出身者に残る好戦的な気質の検討から、成功には、前世代の生活に発して今も確実に祖先から受け継ぐものが関係していると指摘する第6章「ケンタッキー州ハーラン」からはじまる。

アパラチア山脈から続く山並みの狭い谷間が続く、ハーラン。なんとここまでグーグル・ストリート・ビューが来てるから雰囲気がなんとなく伝わってくる。

かつて英国北部からの入植者がこのあたりで放牧をしていて、ナメられたら仕事にナラヘんということだろうか。侮辱されたら報復する気質、「culture of honor」が支配的で、家族間の反目が世代を超えて繰り返すようなことが広く見られたとする。

そのした気質のようなものは、今の世代にも受け継がれ、他のあらゆる属性を超えて、出身がどの地域であるかということが、その人物がどう行動するか決定付ける要因ともなるという。

確かに日本でも、謝るのはタダやと、関西の人は余計な摩擦をさけるだろし、食わねど高楊枝みたいな余計な見栄は関東の文化だろう、なんてここまで言ってしまってから、あ、これもステレオタイプで、そういう傾向が本当にあるか確かめたことではないなあと気づく。本人の気質もさておき、周囲の人が出身地からそういう色眼鏡で見ていて、あ、やっぱりそうなのねと、勝手に認識を『強化』してしまうような。これも言ってみれば、「遺産」の一面なのだろう。

それにしても、『偏見』と揶揄されそうなあぶなっかしい見解を、オブラートに包まずはっきりと、これでもかこれでもかと繰り出してくるあたり、溜飲が下がる思いなのだ。

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